トレチノイン治療と副作用




トレチノインとは

トレチノインはビタミンA誘導体の一つでレチノイン酸、レチン酸ともいう。ニキビ薬として米国で処方されていたものであったが、強力な皮膚のターンオーバー促進作用があり、シワやシミを改善するクリームに配合される。市販品の濃度は 0.01%〜0.1% 程度であり、症状や体質に合わせて適切な濃度のものが処方される。濃度が高いほど、クリームが黄味がかった色。生理的機能はビタミンAの約50-100倍であり、ビタミンA類の体内での生理的機能の本体と同じ。

トレチノイン治療

トレチノインでの「ニキビ」の治療は、塗り薬として最も効果があるとされているが、副作用も強いので医師の指示の元で使用することが大切です。トレチノイン配合のニキビ治療で有名なところでは、米国のオバジニューダームシステムと東大式トレチノイン治療があります。
具体的に東大方式トレチノイン治療の手順は
  1. ぬるま湯でしっかりと洗顔します。
  2. ビタミンCローションを塗ります。
  3. 保湿を行います。
  4. 少量のトレチノインを、しみの部分からはみ出さないように綿棒で薄く丁寧に塗ります。 厚くても無意味です。
  5. 3分待ってトレチノインが充分に乾いてからハイドロキノンを指で、広めに塗ります。
  6. 日焼け止めクリームを必ず塗ります。角質がはがれ肌が紫外線に対して弱くなっていますので、日焼けはシミや色素沈着の原因になります。

トレチノインの副作用

トレチノインン塗布後、最初は肌に赤みが出、ピリピリ痛みその後に痒みがあるのが普通です。(初日の次の朝はより悪化したのではと思えるくらいです。)
トレチノインは市販されていません(日本はまだ認可されていません、原料は入っていますので医師が調合して処方後に購入できます。また海外から個人輸入での入手が可能で方法や手順がわかれば格安で治療が可能)
トレチノインは非常に効果がある反面、痛いのと初期に顔があまりに赤くなるので挫折する人が多い、また注意事項として使用時は避妊する、トレチノインは分解が早いので冷蔵庫に入れて一ヶ月以内に使い切るなど注意の必要もあります。また痛くて中止するときは医師と相談したほうがよい、炎症後色素沈着を起こす可能性があります。色素沈着は紫外線の日焼けが怖い。トレチノイン使用時の大敵です。
(注) 現在、多くの化粧品会社からしわに効果があるとしてレチノールやレチニールエステル配合のクリームが1-2万円程度で市販されておりますが、レチノールやレチニールエステルは外用ではレチノイン酸の約100分の1の生理作用しかないため、実際には臨床効果がなく、単なる保湿クリームという位置付けになります。但し副作用はない。
*オバジニューダームシステムもトレチノインとハイドロキノンが使用されています。

トレチノインの(レチノイン酸)の効果

トレチノインをお肌に塗ったとき現れる効果は
  1. 表皮の角質をはがします。
  2. 表皮の細胞を分裂・増殖させ、皮膚の再生を促します。
  3. 皮脂腺の働きを抑え、皮脂の分泌を抑えます。
  4. コラーゲンの分泌を高め、皮膚の張り、シワの改善をもたらします。
  5. ヒアルロン酸の分泌を高め、皮膚をみずみずしくします。
トレチノインは「ニキビ」の処方箋として使用されるほかに上記から分かるようにアンチエイジングとしても、多く用いられています。

トレチノインとハイドロキノン

ニキビ治療やアンチエイジングにおいてトレチノインはハイドロキノンと併用して使われる場合が多い。ハイドロキノンは美白成分として有名。欧米で美白と言えばハイドロキノンが主流ですが、アレルギーや炎症などの副作用を起こす可能性があることから、日本では医薬品成分とされシミの治療薬として多くの美容・形成外科、皮膚科で高濃度のものが処方されていた。欧米では2%までの濃度ならば、市販化粧品に使う成分として認められています。(4%以上になると医薬品扱いになります。)
2001年の薬事法改正で日本でも化粧品にハイドロキノンを配合することが可能になった。

東大式トレチノイン治療

東大の吉村浩太郎先生の美容外科医向けの参考文献によると〔要約〕
しみ、しわ、にきびなどの皮膚疾患に対して。レチノイン酸の持つ表皮角化細胞の増殖促進、ターンオーバー制御作用、真皮内でのコラーゲン産生促進作用などに基づくものである。継続的外用により、表皮においては表皮角化細胞の強い増殖促進作用がみられ、表皮は肥厚し角質はコンパクトになる。表皮角化細胞間や角質に粘液性物質(ヒアルロン酸といわれている)が沈着するようになる。さらに、真皮においては線維芽細胞のコラーゲン、エラスチン産生促進などの作用があり長期に使用することによって真皮は肥厚する。こうした作用は紫外線による皮膚の老化の進行を防ぎ、さらに本来の健康な皮膚に近づけていく。皮脂の分泌を抑制する働きも持つと言われている。また、真皮乳頭層の血管新生が見られ、表皮、真皮レベル双方で皮膚の創傷治癒を促進する働きを持っている。メラノサイトのメラニン産生抑制には、われわれの研究結果も含めin vitroの結果では否定的な見解が多い。従って、臨床では表皮角化細胞の増殖促進およびそれに伴う表皮のターンオーバーが起こることによって脱色素効果が得られていると思われる。